庭園及び植栽地年間管理作業

一般の住宅庭園の手入れ(管理作業)は暮れに植木屋を呼んで剪定して、お庭を綺麗にしてお正月を迎える。
という方が大半だと思います。私の仕事でも多いです。
お客様のご要望で多いのは「花が少ない、咲かない」・「なるべく小さくしたい」・「虫がついた」などのことを
よく言われますが年一回の手入れだと樹木によって剪定すると花芽を取ってしまうことになったり、大きくなりすぎた
樹木を小さくするのが困難だったり、虫の発生時期と違う時期に呼ばれるなど不都合なこともあります。
そこで考えたのが年間管理作業です。
年間管理作業とは年一回でまとめて行っていた手入れを、一年を通して時期にあった作業をしたり、
お客様のご要望にあった作業を時期をみて行うことにより、今までまとめて行っていた作業を分けることにより
より良い手入れ(管理作業)が出来るのではないかと考えています。
例えば「花が少ない、咲かない」ようでしたら、寒肥作業や消毒作業を行い剪定時期、剪定方法を改めることにより以前より花が咲くようになると思います。
お客様の心配事は費用だと思います、剪定に関してはまとめて行っていた事を分けるだけですので、現在、お支払いしている費用とさほど変わらないと思います。
寒肥・消毒・ミドリ(新芽)摘み作業などを増やす場合はその分が増えることになります。ただ、費用が増える分の価値はあると私は思います。
下記の表は私が実際に行っている年間管理作業ですが、お客様によって行う作業、行わない作業もあり、あえて
細かく分けていますのでお客様のご要望や樹木にあった作業を選んでいくことによって、お客様一人一人(一庭一庭)
に合った手入れ(管理作業)が出来ると思いますのでご参考までにご覧下さい。

 

庭園及び植栽地年間管理作業表

作業時期

作業内容

対象樹木

1~2月

寒肥(有機肥料)

樹木全般(植え替えてまもない樹木や根が弱っている樹木を除く)

 〃

移植・植え替え

落葉樹・針葉樹

 〃

消毒(石灰硫黄合剤)

樹木全般(植え替えてまもない樹木や葉が弱っている樹木を除く)

3~12月

消毒及び捕殺

虫がついた樹木や病気の樹木

3~4月

移植・植え替え

常緑樹

3~5月

強剪定

大きさを半分位にしたい樹木があれば行う

5~6月

ミドリ(新芽)摘み

クロマツ・アカマツ等

 〃

剪定及び刈り込み

ツツジ・サツキ等の花木(共に開花後)

5~8月

施肥(お礼肥・追肥)

花の咲いた樹木や花芽分化期の樹木

6~8月

夏季剪定

枝が伸びすぎた(風通しの悪い)樹木やアジサイなど花木の花ガラ摘み

10~12月

冬季剪定

樹木全般

11~12月

葉むしり(葉ふるい)

クロマツ・アカマツ等

1~12月

除草・清掃・水まき

お庭(庭園敷地)全体

 

 

 

 

作業内容及び用語の説明・補足

寒肥(肥料)

肥料には大きく分けて即効性と緩郊性の2種類があります。この時期は有機肥料(緩郊性)を施します。
施し方はバールやスコップ等で穴をあけて土中に埋めます。
土中に埋めるのは雨で流れてしまうのを
防ぎます。有機肥料は一般に油粕や骨粉のことをいいますがそのままのかたちで樹木に
吸収されるのではなく、微生物等によって分解されて樹木に吸収されます。
1~2月に施した有機肥料が暖かくなるにつれて微生物の活動が活発になって徐々に分解されて
樹木に徐々に吸収されるので緩郊性肥料となるわけです。
1~2月は一般の樹木は休眠期に入っていますので、即効性肥料を施しても効果が期待できないと思います。

即効性肥料

一般に液体肥料のことをいいます。蕾をつくる時期(花芽分化期)や花が終わった時、実がなっている時に
施す効果が期待できると思います。

施肥の仕方

お庭に植わっている樹木は根が四方八方に伸びて行きますので樹木の大きさにもよりますが樹木の周りに
何箇所から何十箇所の穴をあけて土中に埋めます。
吸収する根は細根で伸びた根の先にあります。
もちろん土の中で伸びていきますのでどこに細根があるか掘ってみなければわからないので
何箇所もあけた方が良いと思います。
一箇所に多量の肥料を入れるより、少量の肥料を何箇所にも分けて入れた方が良いと思います。
一箇所に多量の肥料を入れると分解されず残ってしまったり、肥料過多になってしまいます
一般に肥料はあげ過ぎるよりは少ない方が良いといわれています。
分量は肥料によって違いますので袋に書いてある説明文等をよく読んで施して下さい。

肥料の必要性

自然の森の樹木は肥料などを施さなくても元気に生えています。
しかし、森には落ち葉が沢山あり、それが腐葉土になり、動物の糞なども肥料代わりになっています。
植わっているところの土にも肥料分があり、
さらに植物は日光を葉で受けることにより葉で栄養分をつくり、つくった栄養分を幹や根に送っています。
ですから森の樹木は日光を受けるためにどんどん大きくなっていき、逆に日光が受けられない樹木は
弱っていったり枯れていきます。不足分を補うために肥料は必要になってきます。

消毒(薬剤)

薬剤には殺虫剤・殺ダニ剤・雑菌剤がありますので、樹木の症状によって使い分けます。
石灰硫黄合剤は越冬害虫を駆除する目的で使用しますので、1~2月に散布します。
薬剤は液体をうすめて使用するものや粉末を溶かして使用するもの、希釈倍率もありますので注意して
使用します。間違えて使用すると薬害がでることがあります。

薬剤散布

散布する人は手袋・マスク・帽子・メガネ・長袖・長ズボンを着用したほうが良いでしょう。
また、薬剤には臭気のきついものがありますので、散布する周辺の窓等を閉めておくことや
周囲に気を配りながら散布されたほうが良いと思います。

消毒時期

虫によって発生時期は違いますが、春先から暖かくなるにつれて虫などの活動が活発になりますので
毛虫などはつきはじめたら散布または捕殺の時期です。
害虫も病気も早期発見・早期予防が大切ですので、虫等がついていなくても
年1・2回(特に春から夏にかけて)の薬剤散布することをおすすめします。

移植・植替時期

落葉樹・マツ等の針葉樹は1~2月(落葉樹は葉が無い時)は休眠期に入っているため、
この時期が良いと思います。
常緑樹は3~4月(新芽がでる前)と梅雨時が良いと思います。
諸事情で前記以外で作業する場合はなるべく細根を切らないなどの注意を払う必要があります。
あとは真夏は避けたほうが無難です。

ミドリ摘み

芽かずや芽の長さの調整するために行い、枝が間伸びするのを防ぎます。
好みにもよりますが繊細な感じや盆栽のような感じに仕立てたい方は作業した方が良いと思います
自然に伸ばしたい方などは特に作業されなくてもよいとおもいます。
ただ、作業しておくと不要な枝が少なくなるため葉むしり・剪定等の冬の作業が少し楽になります。

葉むしり

去年伸びた葉・古葉(茶色くなった葉)を取ります。

花木の剪定

花がら摘みなどを行い、花木によって花芽分化期に違いがありますがツツジ・サツキなどは5~6月に咲いて
その年の7~8月に蕾をつくりはじめますので、開花後に花がら摘みとかねて葉刈りを行うと良いと思います。
夏以降は刈ると蕾をとってしまうことになりますので、蕾の数が減ります。
他の方法としては蕾ができてから蕾の無い枝を切るとか、蕾が出来すぎてしまったものは蕾の数を減らすと
一輪ずつ花が少し大きくなったり、樹木への負担がやわらぎますので
来年の花も咲かせやすくなると思います。

強剪定

3~5月は樹木にとって芽吹きの季節で、どんどん新芽が出てきます。
樹種によって違いますがチェーンソーなどを使って丸坊主(葉の無い状態)になってしまう位小さくする
強剪定には適しています。ただし、マツなどは丸坊主にしてしまうと枯れてしまいますので注意が必要です。

夏季剪定

伸びすぎた枝や絡まって枝などを切って、風通しを良くします。
そうする事で虫などが発生しづらくなると思われます。

冬季剪定

一年間、伸びた枝や絡んだ枝・枯枝等を切って下枝にも日光が当たるように
樹木全体の樹形を整えながら切っていきます。

上記の表は私の経験や考え方に基づいて書いてありますので、一般の園芸書などとは食い違うところも
あるかもしれませんのであくまでもご参考までにご覧下さい。
植山庭園では年間を通して「庭をある程度、綺麗に保ちたい」や「花をなるべく咲かすようにしたい」等の
お客様の考え方やお庭に合ったに年間管理作業を提案しています。

 一般的な年間管理の例

 00様邸(個人庭園・植栽地) 庭園年間管理作業表

作業時期

 作業内容  対象樹木
1~3月  寒肥・消毒

 樹木全般又は花木・果樹のみ

5~7月  夏期剪定及び刈込・消毒  お花が咲いた樹木・茂りすぎ樹木の剪定・刈込、毛虫等がついている樹木の消毒
10~12月 冬期剪定及び刈込・消毒 樹木全般

 

実際にプランし、作業させて頂いている個人庭園の年間管理作業表です。ご参考までにご覧下さい。

 個人邸(一般的なお庭の年間管理になります)
こちらのお庭で年1回の作業の場合は約25,000円ですので年間管理の場合の合計金額は高くなります。
こちらのプランは年3回、お伺い致しますのである程度ですがお庭を綺麗に保つことが出来ます。
ヘンな例えになるかもしれませんが月1で散髪に行かれるか?半年又は年に1回で十分と思われるか?ご判断はお客様ご自身になります。

 

 個人邸(芝生地があるお庭)
こちらのプランはほぼ月1でお伺いするプランになっております。
芝生があるお庭をある程度、綺麗に管理しようとするとこういう感じになってきます。

 
マンション(植栽地の管理)
このプランは1~2月の施肥の作業が無いプランとなっております。

植山庭園では年間管理作業のご相談を頂いたときは上記のように幾つかのプランをご用意致し、お客様のご要望に合ったプランをご採用頂いております。

 

 寒肥の仕方(剪定等は説明しなくてもわかると思いますので寒肥の仕方を写真でお見せします)
施工前の状態  どこに根があるかはわからないので数ヶ所に穴を掘ります
掘った穴に肥料を入れます。肥料はオリジナルブレンドです。 肥料の流出防止の為、掘った土をかぶせて、施工後です。